台風が近づいているということで、波は少し高かったのですが、危険なほどではなく、波乗りをしたり、水中眼鏡で貝を探したり、飽きることなく日がな一日、真っ黒になるまで、海で遊びました。
三段壁は海に高さ60メートルもの絶壁が屹立する南紀白浜の名勝です。その岩壁深くには、かつての源平合戦で活躍した熊野水軍の舟隠し場であった洞窟があるのです。
洞窟へは地中深くまでつづくエレベーターで降りてゆきます。一歩エレベーターを降りればそこは薄暗い洞窟の中。洞窟を歩いてゆけば、波が洞窟内へと荒々しく押し寄せてくる場へ出ます。台風が近かったせいで、波は普段よりもずっと荒く、恐ろしい波が洞窟の壁をうちつけています。大人でもその迫力には鳥肌が立ち、恐怖をおぼえるほどでした。
子供たちも青ざめながらも、その光景に見入っていました。
4週間の私達の日本滞在全てをここに記せるわけでなく、私の思い出がここに載せた写真に縮小されてしまうことを残念に思う。でもそれはどうしようもないこと。私の全ての思いを出しつくせるわけがないし、そんなことをしても他の人にとっては退屈なだけだろうから。
でも私の記憶に、子供たちの記憶に楽しかった夏休みの思い出はしっかりと刻み込まれたに違いない。