2009年10月8日木曜日

怪奇幻想文学

恒川光太郎著『夜市』を読んだ。素晴らしい作品だった。何度も読み返した。久しぶりに心から惹かれる作品だった。彼の著作をこれから全部読んでみるつもりだ。
 この作品は2005年度「日本ホラー小説大賞」を受賞したらしい。ホラーと言うジャンルについて、私は知識がない。しかしこの本は一般的なホラーとは違うのではないだろうか。恒川光太郎氏は、間違いなく泉鏡花をはじめとする怪奇幻想文学の正統な継承者である。
 透明感のある文章、センチメンタリズムに陥らない叙情性、しっかりとした物語性。そして現実世界に隣接し「神々や物の怪」の住む、なんとも魅力的な異界。
 私は新しい作家を見つけることが、不得手なのだけれど、友人がいろいろなジャンルの面白い本を見つけては次々と貸してくれる。お陰で今回の素晴らしい作品にも出会うことができた。

0 件のコメント:

コメントを投稿