2009年6月20日土曜日

イラン

 イラン情勢が荒れている。大統領選挙で不正があったのではないかという疑いのためだ。これまでにも書いたように、親友のヒンガミ一家はイラン出身である。もちろん両親をはじめ親類は皆イランそれも首都のテヘランに在住している。
 選挙結果が出た日、ヒンガミはやはり随分落ち込んでいた。今のイスラム政権を彼女は、というか国民の大半は憎んでいる。それでも何も出来ない状況が続いている。恐怖政治なのだ。無実の人々がどんどん投獄されてゆく世界。女性が蔑視されている世界。自由にものが言えない世界。
 ヒンガミは自嘲的に言った。「これでイスラエルが攻撃してきてイランを壊しでもしないとダメね。」もちろんそんなことを本当に望んでいる訳がない。彼女は子供の頃にイラン・イラク戦争を体験している。実際に戦争の時はテヘランに爆弾が飛んできた。警報がなると、防空壕に隠れたらしい。戦争の怖さを彼女は身をもって知っている。その彼女がそんなことを言う。八方塞がり。
 ヒンガミ家族は先週末からクレタ島に休暇に出かけた。でもきっと休暇中もテレビでイラン情勢を心配顔で見つめているはずだ。せっかくの休暇気分が台無しだろう。それでも明日帰ってきたときに、日焼けのした顔で、どんな休暇だったのか楽しく話してほしいと願っている。

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